漏洩事故への抗議文が武田問題・村岡新駅を考える市民の会から提出されました。

武田薬品工業株式会社 殿

武田薬品工業(株)湘南研究所における遺伝子組み換え生物等の不適切な使用等
に対する抗議文

去る11月30日に発生した遺伝子組み換え生物を含む廃液(汚染水)の漏出事故に対して、武田問題・村岡新駅を考える藤沢市民の会として強く抗議するものです。

1.藤沢市議会に報告された武田薬品工業㈱の説明で明らかになったことは、研究施設が 建設段階において杜撰である(防水性を要求される床面にひびが存在するなど)とともに、施設管理のあり方も杜撰そのものといえます。
ヒューマンエラーと片づけるのではなく2度と事故が発生しないためには、施設管理マニュアルや危機管理マニュアルに問題がないのか充分検討することが必要です。
当会は、武田薬品工業㈱が法律で義務がないからと拒んでいる施設管理マニュアルや危機管理マニュアルを早急に藤沢市に提出しその問題点を第三者を含めて検討することを強く要求します。

2.事故の存在を知らせる警報が発報したり、事故を確認したときに、研究所の所在地であり環境保全協定の締結当事者である藤沢市に報告が遅れたことは、全く許し難いことであります。
除染作業や不活化処理が終了してから報告するということは、環境保全協定にも
法令にも記述はなく、法律に記述のあるのは「直ちにその事故についての応急の措置を執るとともに、速やかにその事故の状況及び執った処置の概要を届けなければならない」ということであり、決して除染作業や不活化処理が終了してから報告するというものではありません。
今回の事故で、廃液(汚染水)の貯留タンクからの漏出水がほぼ滅菌室内に留まり、室外においても廊下と別室の約2〜3平方メートルの範囲で済んだことは幸運であったと言えますが、もし遺伝子組み換え生物を含む廃液が下水道に漏出したり、遺伝子組み換え生物を含む排気が排気筒から施設外に流出したりした場合、連絡の遅れは被害の拡大につながります。
今後、事故の存在を知らせる警報が発報したり、事故を確認したときには、速やかに行政と住民に報告することを強く要求します。

3.藤沢市議会に報告された武田薬品工業㈱の説明から、遺伝子組み換え作業の不手際が明らかになりましたが、今回の事故を重大な事故として認識していない貴社の問題意識に対しては猛省を求めるものです。
これまで、武田薬品工業㈱は「事故は起きません。大丈夫です。」と言ってきましたが、「安全神話」は本格的操業後わずか1ヶ月で崩れ去ったと言えます。
武田薬品工業㈱と行政および住民の積極的リスクコミュニケーションの場として「安全協議」の重要性は高まっています。
当会は「安全協議」の場として、専門家を含めた実効ある「安全協議会」の開催を要求するものですが、現在存在する「3者連絡会議」においても市民の傍聴が可能となり民主的な運営がなされるよう要求するものです。
2011年12月15日

武田問題・村岡新駅を考える藤沢市民の会