武田研究所起工式への抗議文

                              平成21年7月3日
武田薬品工業株式会社
代表取締役社長 長谷川閑史様
                     武田問題対策連絡会 
                                     
       研究所建屋の建設着手に対し抗議する

この度武田薬品工業株式会社が、危険なバイオ研究所建屋の建設に向け7月3日に起工式を行うことは、研究内容にたいする住民の不安の声を無視し研究施設群の建設という既成事実を強行するものであり強く抗議する。
特に、神奈川県の公害調停審査開始が予定される7月27日の直前に、調停協議に先行し建設着手することについて貴社からは一言の見解表明も付されていない様であり、隣接する住民の生命および周辺広域圏の環境を守る上で貴社の決意等を理解する手立てすらつかめないことを憂うるものである。
先に貴社は、旧工場取り壊し工事にあたって、新研究所建設に係わる説明会が開催中であったにもかかわらず、社長の指令の下 昨年末12月3日に着手を強行した。
着手のための「工事に関する覚書」締結に際しては、工事説明会参加住民の声に耳を貸さぬばかりか、あらかじめ締結手続きに不正行為まで仕組ませていたことは、本年1月15日付け貴社あて抗議文に明らかである。
 また貴社は、旧湘南工場時代に藤沢市と「工場廃水は公共下水道に放出しない」ことを協定していたが、平成19年4月に県の環境アセス審査会にアセスの実施計画書を提出した際、水質汚濁を評価項目から外すため研究所排水を公共下水道へ放出すると記載した。これは明らかに藤沢市との協定に違反した記載である。今回、研究所の開発許可を得るにあたって 藤沢市と平成20年12月8日付け協議書を締結し同じ趣旨を規定したが、これも協定違反であることに変わりは無い。
覚書と言い協定書と言い公の文書である。締結とか廃止をこれほどあいまいにしているような会社をわれわれは知らない。
ここにわれわれは、貴社が「誠実」という自らの企業理念とも駆け離れた行為を改め、当会が貴社に求める要求事項(建設工事の中止要求を含む)に対しあらゆる対策を講じ誠実に対応するよう求めるものである。
また当抗議文にたいし、社の責任ある回答を書面にて早急に行うよう求めるものである。
以上